介助者に見守ってもらって立ち上がる

といいますのは、腰をかけている状態や臥床している状態ではいくら筋力を強化しようと思って訓練をしても、高齢者の場合は、若いスポーツ選手が行う筋力トレーニングのように効果が上がらないからです。初任者研修 最短 そこで、トランスファーパl (p日参照)や歩行器につかまってでも、また、介助により立ち上がらせてもらってでもよいですから、立位を保つことを通して筋力アップを図るのがもっとも効果的といえます。バランスを崩しそうな段階でもしっかりとしたパlにつかまって介助者に見守ってもらって立ち上がる立ち上がったら、立っている状態を保持するといった練習を、最初は短時間でもいいですから行い、それを少しずつ増やすようにして下さい。このようにして、1週間練習をしても2週間練習をしてもふらつきが続き、一向に改善効果が現われない場合は、麻療や自律神経失調の存在、首から頭に向かって流れている血管の異常、耳の奥でふらつきをコントロールしている部位(三半規管)の異常など、いろいろな病気を考えなければなりません。このような状況が続けば医師に相談したり、医療機関に受診することをおすすめします。3.閉じ目線に立つ:「立ち上がり」は社会化の第一歩以上のように、立ち上がる際にいろいろ留意すべき点があるにしても、自分で立ち上がることができれば、周囲の人たちと同じ目線でつき合えますので、自信がついて、その後は社会へ進出して行きやすくなります。社会で人と交わり、社会の一員として活躍することを「社会化(ソlシアライゼlション)」といいます。車椅子に乗っていても十分にソlシアライゼlションは可能ですが、立ち上がることにより、身近にいる人と同じ目の高さで話をする同じ目線で活動をすることができますので、対等に付き合えるなど、精神面での充実感が増します。4.立ち上がること自体がトレーニングに立ち上がるには重心を低い状態から高い状態に持ち上げなければなりませんので、重心を動かさない立位保持や重心を横移動させるだけの歩行に比べてずっと多くのエネルギーを要します。立ち上がるには轡部の後方の筋肉、大轡筋を収縮して股関節を伸ばす太ももの前部の筋肉、大腿四頭筋を働かせて膝関節を伸ばす.膝や足首などの関節を安定化させる腰の筋肉を働かせて上体を後ろに反らすようにして脊柱のバランスをとるなどをしなければなりません。つまり、立つという動作だけでも、胸から足までの主要な筋肉を働かさなければならないうえ、トランスファーパーなどを引っ張って立ち上がれば上肢の筋肉も使いますので、相当きつい全身運動をすることになります。
DM030_L その点、立ち上がった後に立位を保持するだけの動作であれば、時たま下腿の前と後の筋肉が多少縮むだけで十分なのです。立位バランスの悪い立位保持ピギナlにとっては、当初は腰背筋や腹筋、大腿の前面後面の筋肉をよく働かさなければなりませんが、そのうちに慣れてくると筋肉を大きく働かさなくてもすみます。体重に逆らって骨部や大腿、ふくらはぎの筋肉を目一杯収縮するといった自力での立ち上がりは、それ自体が有効な筋力トレーニングともなり、これだけの力を臥床のまま自分で行ったり、療法士の指導で行って力を出すには大変な労力を要します。こうした点から、多少のふらつきゃ膝折れがしてしまうなどの危険性があっても、.介助者に付き添っていただいて積極的に立ち上がることが、筋力を増強して立ち上がり能力を獲得する上での早道となります。自分で立ち上がるには大きなエネルギーを要し、起立性低血圧やふらつきの危険性をはらみますが、立ち上がることができれば、社会で対等に交われることを通しての精神面での充実に役立つばかりでなく、全身の諸臓器の活性化にも役立ちます。立ち上がれることによっての移動能力の向上、要介護度の低下などがみられれば、介護保険による給付限度額が下がるでしょうが、そのマイナス面以上に自分で立ち上がれることによる生活の質の向上というプラス面がみられますので、私たち医療にかかわる者は要介護状態の高齢者にも常に向上心を持つようにとお願いしているわけです。立ち上がりには布団よりベッドが便利立ち上がりは座位から始めることになります。ですから、まず座位になることが前提となります。寝ている状態から上半身を起こして座位になる方法は《第2章座る》で説明しましたので、まず座る能力の獲得過程を突破しなげればならないという人は、もう一度《第2章》に目を通して、座り方のこつをしっかり身に付けておいて下さい。立ち上がり方としては、①布団や床で長座位になっている状態からの立ち上がり②ベッドサイドでの端座位や椅子、車椅子座位からの立ち上がりの二つに分げられます。その他、③介助により立ち上がる④自力で立ち上がる⑤物につかまって立ち上がる⑥立ち上がって杖をつくなど複雑な立ち上がり方や、立ち上がりに関係した種々な動作もあります。それらについては、それぞれの項で説明します。通常、体重の中心はからだの中央部、へそのすぐ下あたりに存在します。したがって、腰かけ座位から立ち上がった場合は、重心がせいぜい初:ωm高くなるだけです。